フレンドリー・オフィス(Friendly Office)
見学を常時受け付けているオフィスのこと、あるいはそのようなあり方。
背景
部外者と接点を持つ方法としてオフィスアワーがあるが、これは会場や時間帯の設計が大変である
逆説的に、普段の仕事場を開放する形にしてしまうのはアリではないか
概要
肯定的な部外者からの見学を常時受け付ける体制を整えることで、部外者と接する機会を増やす
肯定的な部外者(Positive Outsider)とは:
オフィスに出入りできる関係者ではないが、相談を受け付けるに値する者のこと
例1: 大学教員から見た、研究室生その他学生
例2: 広報に力を入れている企業から見た、社会人全般
2つのゾーン(概念の話。わかりづらければ "段階" でも良い)を設ける必要がある
1: 検査ゾーン。来訪した部外者が肯定的かどうかを調べる
2: フレンドリーゾーン。肯定的な部外者が自由に行動できる範囲や時間帯を設定する
開放性を損ねない素早さを維持するためのコツ:
肯定的な部外者に対する会員登録、その他認証認可はしない。
肯定的な部外者向けの同意事項を入場前動線に配置し、入った=同意した、とみなす運用にする
たとえば監視カメラで記録していますの旨をフレンドリーゾーンの前に掲示しておく等
その他注意点:
従業員側の教育こそが重要
フレンドリーゾーンで過ごせる社員をフレンドリー社員という。フレンドリー社員をどうやって増やすかという問題になる
特に機密情報を一切扱わない立ち回りが要求される。これには「機密」を部分を分離するという考え方が必要であり、難しいかもしれない(分離エンジニアリング)sta.icon
フレンドリーでない社員にできるだけ、あるいは可能なら一切負担がかからないようにしなければならない
レイアウト上、不可能なことも多いsta.icon
デジタルデバイスの持ち込みをどれだけ検閲するか問題
たとえば盗撮盗聴を防ぐには?Wi-Fi名が見えてしまう問題はどうすればいいか?などsta.icon
フレンドリーゾーンの実装例
フリーフロント
市役所のような長いカウンターをイメージ。カウンターの内側に社員が座っている場合は、誰でもその人の前に行って話を始めることができる
オープンラウンジ
肯定的な部外者も社員も自由に入退室できるスペース
開発秘話
マルチブース・オフィスアワーをつくっていたときに、ふと関連があると思って、出すことにしました。実は出していないのには理由がありました。実現性(フィジビリティ)こそありますが、セキュリティや従業員側ストレス、もちろんコストも考えた上で、開放性を維持するとのバランスが現実的に難しいのではないかと思ったからです。かといって無闇に検閲や承認を敷くと開放性がなくなって意味がありません――しかし、2025年現在であれば、私が知らないだけで、上手いバランスを実装できるかもしれないと思ったので、こうして公開することにしました(ただ名前は付けてなかったので今回フレンドリーの言葉を持ってきました)。知的生産のメリットは、まずは概念だけを伝えられることです。実装は、それができる人達に委ねることができます
名前について。まずはオープンオフィスが浮かびましたが、この言葉にはすでに「オフィスレイアウトを開放的にしたもの」の意があり、使えません。次にパブリックオフィスを思いつきましたが、官公庁を指す言葉でもあります――というわけで、意外と難しかったです。生成AIと代案を考えつづけて、フレンドリーの言葉に行き着きました。フレンドリービジットやフリービジットなどもありましたが、長くて説明的案名前は美しくありません。フレンドリーだけでも十分通じるだろうと思って、フレンドリー・オフィスとしました